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看護学雑誌 ISSN 0386-9830 (Print) ISSN 1345-2746 (Online) 67巻10号(2003.10)P.987-992(ISID:1661100799)

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米国のがん治療先端医療の場での代替補完医療

渡辺 由佳里 1

※1 元看護師・助産師/小説家/ボストン在住


はじめに
 昨年,フレッド・ハッチンソン・がん研究センターは1),ワシントン州西部のがん患者を対象にした調査で70%以上がなんらかの代替療法(alternative therapies)を利用しているという結果を,The Journal of Alternative and Complementary Medicine(代替補完医療雑誌)2)に発表した.そのなかで,もっとも多く使用されていたのはビタミン剤,薬草などを含むサプリメントであった.2000年7月のJournal of Clinical Oncology(臨床腫瘍学雑誌)3)でも,453人のがん患者の83%がなんらかの代替補完医療を利用しているとのことなので,がん患者がいわゆる通常医学(西洋医学)以外の療法を求める気持ちは,万人に共通しているといえるだろう.
 共通しているという点では,医師の代替補完医療に対する猜疑心や嫌悪感も同様だ.米国でも,指示した治療以外の療法を試す患者に対して不快感を表したり,治療を続けるつもりならいっさい代替療法をやめるように求めたりする医師が多かったために,医師に相談せず独断で代替療法を試す患者が増加した.医師への不信感から,化学療法や手術といった通常医学の治療を中断して完全に代替医療に切り替えた患者もいる.代替補完医療には通常医学のような水準がなく,情報も曖昧なために,死亡例を含む事故が多発するようになった.
 このような現状から1991年に米国国立がん研究所(NCI)の組織の中に代替療法の研究を行なう部門が作られ,1998年には新たに米国国立代替補完医療センター(National Center for Complementary and Alternative Medicine;NCCAM)4)としてスタートした.この頃,NCCAMだけでなく,NCIやその他の研究所もいっせいにがんに対する代替補完医療の研究に助成金を出すようになった.
 本稿では,米国の代替補完医療がどのように分類されているのか,国レベルでどのような具体的な努力がなされているのか,そして国際的に有名ながん専門病院がどう取り組んでいるのかをご紹介する.


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