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総合リハビリテーション ISSN 0386-9822 (Print) ISSN 1882-1340 (Online) 37巻4号(2009.04)P.295-299(ISID:1552101480)

特集 廃用症候群を治すには
現状と問題点

後藤 正樹 1
幸田 剣 1
田島 文博 1

※1 和歌山県立医科大学リハビリテーション科

【キーワード】 廃用症候群,安静,臥床


はじめに
 2006年度に診療報酬が大きく改訂されてから,「廃用症候群」に対する注目が高まり,リハビリテーション従事者だけでなく,他科の医療従事者にも徐々に認知されつつある.しかし今もなお,急性期を脱した患者や,入院前はADL(activities of daily living)が自立していた患者が,入院して長期臥床を強いられることにより関節拘縮,筋萎縮が進行してしまった状態で初めてリハビリテーション科に紹介されるというケースがみられる.リハビリテーションは全身状態が安定してから専門施設で行うものであるという考え方が,患者を寝たきりに追い込んでしまう.
 若年健常者でさえ,わずか3日間のベッド上安静臥床によりさまざまな生理学的変化が認められ,運動能力に大きな影響を与える1).表2)はベッド臥床に伴うさまざまな身体変化を経時的にまとめたものであるが,比較的短期間の臥床でも身体にさまざまな影響を及ぼす.ましてや,高齢患者においては,数日間の臥床により廃用が進行し,歩行不能となる.このような場合,入院期間が延長するのみならず,原疾患は治癒したにもかかわらず廃用による能力低下のために自宅退院が困難となってしまうケースもある.
 一般の健康な高齢者にとっても,廃用予防は重要な課題である.介護保険制度が施行されてから早9年が経過したが,超高齢社会が到来するにあたって,要支援,要介護1程度にランクされる比較的軽度の要介護認定者の数が急増して問題となっている.しかし,高齢者人口の増加がそのまま要介護者の増加につながり,若年世代の負担を倍増させるという考え方は必ずしも正しくない.事実,わが国の高齢者の80%は自立して暮らしており,そのうちの25%は介護の必要な高齢者を支援できるほど体力に余裕があるとされる.廃用による体力低下を予防し,元気な高齢者や障害者を増やしていくことが求められている.
 本稿では,廃用症候群の歴史やその本質を踏まえながら,わが国における現状や問題点などについて概説したい.


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