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総合リハビリテーション ISSN 0386-9822 (Print) ISSN 1882-1340 (Online) 36巻10号(2008.10)P.929-932(ISID:1552101348)

特集 脊髄損傷リハビリテーション―現状・課題・展望
再生医学

向野 雅彦 1

※1 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室

【キーワード】 幹細胞,可塑性


はじめに
 近年の再生医学研究の目覚しい進展に伴い,これまで難しいとされてきた中枢神経系においても,神経再生の実現を目的とした試みが活発になされるようになった.そのなかで,脊髄損傷をはじめとする中枢神経損傷に対する幹細胞の移植,軸索進展阻害要因の解除を目的とした治療が,幹細胞の分化と生着,軸索の進展を介して機能回復に有効に作用する可能性が示されてきた.一方で,これらの介入は異常なsproutingによる異常感覚,痙性の出現を誘発する可能性があることが報告され,神経再生による機能回復の実現にはこのような新しい神経回路網の材料を与えるだけでなく,構築の制御も重要であることが明らかにされている.
 神経ネットワークの再編成過程では,電気的信号のやりとりが必要不可欠である.不要な結合の削除,必要な結合の強化には,活動依存的な選別過程が存在することが報告されており,それらを背景に機能回復のための再教育過程として,リハビリテーションの重要性が再認識されつつある.本稿では,近年の再生医学研究の分野における進展,リハビリテーションに期待される役割について概説する.


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