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特集 最近の脳卒中リハビリテーション技術
半側空間無視に対するプリズム適応療法
水野 勝広
※1,2,3
辻 哲也
※3
里宇 明元
※3
木村 彰男
※4
※1 独立行政法人国立病院機構村山医療センターリハビリテーション科
※2 東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
※3 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
※4 慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
【キーワード】 半側空間無視,プリズム
はじめに 半側空間無視はHeilmanら1)により,「大脳半球損傷の反対側に提示された刺激を報告したり,刺激に反応したり,与えられた刺激を定位することの障害」と定義されている.半側空間無視は左半球損傷より右半球損傷患者に多いと言われており,発症頻度においてはさまざまな報告があるが,右半球損傷患者では13~100%に出現すると言われている2). 半側空間無視の評価のための代表的な机上検査として,線分2等分検査,線分抹消検査,模写・描画などがある.半側空間無視患者は,線分2等分検査で紙に引かれた直線の中心を示すよう指示されると,実際の線分より右よりを示し,線分抹消検査では,ばら撒かれた線分を抹消させると左側の線分は抹消せず残してしまう.また,図形の模写や描画では左側を描かなかったり,省略したりする(図1).これらの現象は,必ずしもすべての半側空間無視患者で同じように認められるのではなく,検査のうちいくつかは正常である場合もある.一方,日常生活では左側の障害物にぶつかったり,食事で左側にあるものを残したり,ひげを剃るときに左側を剃り残したりすることが観察される. 半側空間無視によるこれらの症状はリハビリテーションを行ううえで大きな阻害要因となり,最終的な機能予後に大きく影響することが数多く報告されている3-7).そのため,半側空間無視に対する数々のリハビリテーション治療法が試みられてきた8,9). 近年,脳機能画像を中心とした画像診断技術の発展により,半側空間無視の機序や責任病巣について,新たな知見が得られており,治療効果に関わる脳部位についても明らかになりつつある.ここでは,これまで報告されてきた代表的な治療法を概説し,近年注目されているプリズム適応療法(prism adaptation therapy;PA療法)を中心に,作用機序や効果の範囲,効果に関わる脳部位などについて解説する.
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