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増大特集 リハビリテーション医学2007―最近10年の動向とエビデンス
リハビリテーションを巡る動向
EBM/エビデンスづくりの動向
里宇 明元
※1
※1 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
【キーワード】 臨床研究,ガイドライン
はじめに 従来,臨床における意思決定は,厳密な科学的証拠よりも経験に基づく判断が主であった.リハビリテーション医療もその例外ではなく,DeLisaら1)のリハビリテーション科医に対する調査でも臨床的問題が生じた時に原著論文を読むと答えた者は27%に過ぎず,また,理学療法士に治療法選択の根拠を尋ねた報告でも,原著より初期の教育や過去の経験のほうがはるかに多かった2).このようななかでevidence-based medicine(EBM)が提唱され,本邦でもその重要性が認められつつある.EBMとは意思決定の根拠となる経験や研究の科学的妥当性を吟味し,証拠に基づいた治療を行おうとする診療の実践方法であり,その過程は問題の発見,情報収集,情報の批判的評価,臨床への適用からなる3). EBMが急速に普及しつつある背景には,(1)臨床研究の重要性の認識の高まり,(2)情報アクセスの飛躍的改善,(3)国際標準追究の機運,(4)説明と同意のための客観的情報へのニーズの高まり,(5)経済情勢の変化に伴う効率的医療への指向などがある3). 経験的治療が多かったリハビリテーション医療にもEBMの波が押し寄せ,その普及,ガイドラインの作成,臨床研究の推進などが取り組まれてきた.一方では,リハビリテーション臨床で実際に使えるエビデンスはまだ限られ,また,EBMはランダム化比較試験(RCT)偏重で患者の個別性を重視しないという誤解もあり,臨床現場ではEBMが実践レベルで根付いていないのも事実である.本稿ではここ10年前後のリハビリテーション領域におけるEBMをめぐる動向を振り返り,今後の課題を探ってみたい.
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