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特集 高齢者の運動療法
高齢化と筋肉・筋力の運動生理
池田 聡
※1
川平 和美
※1
※1 鹿児島大学大学院歯学総合研究科先進治療科学専攻運動機能修復学講座機能再建医学
【キーワード】 加齢,筋力低下,サルコペニア,運動,筋力増強
はじめに わが国は本格的な高齢化社会を迎え,高齢者のQOL(quality of life)をいかに向上させていくかという課題解決が必須となっている.今後,高齢者,とくに後期高齢者の増加が予想され,現状では日常生活要介護者が増加すると予測される.脳血管障害などの疾患による機能障害,能力障害の急性期リハビリテーション,維持的リハビリテーションは言うまでもないが,近年,高齢者の筋力低下による移動能力障害,日常生活障害が問題になっており,高齢者における転倒・骨折の一因にもなっている. 欧米では近年,この高齢者における筋肉量減少,筋力・筋持久力低下による筋機能低下をサルコペニアSarcopeniaと称し1,2),その生理学的,病態学的検討が行われている.多くの骨格筋は運動器の重要な位置を占め,その機能低下は移動能力,日常生活能力の障害に直結するため,日常生活自立が困難となり要介護状態に陥ってしまう.QOL重視の視点からも,医療経済学的な観点からも,高齢者の筋力低下は大きな問題である. 本稿では,加齢による骨格筋の特徴的変化,および運動療法の効能を分子生物学的な視点を交えて述べ,また運動療法の効果を増強する治療法の試みや展望について概説する.
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